母と同居してから、自分の時間は大幅に減ったが、メリットもちゃんとある。
「老い」について、ナマの情報を得られるのも、そのメリットのひとつ。
母はむかしから、見た目にずいぶん気を使っていた。
70代のころは「杖をつくなんて、恥ずかしくてとんでもない」と話していた。
だが、80歳を越えると、だんだん足元がおぼつかなくなり、部屋のなかだけで杖をついていた。
このころは、外へ出るときは「恥だから」と、まだ杖なしで歩いていた。
けれども、母が83歳のとき、私が母からトンズラこきましてな。
それ以来、母はひとり暮らしになり、買い物もひとりで行くことから、シルバーカーを使いはじめた。
で、90歳の現在にいたる。
けれども、室内でシルバーカーを使っていても、ここ4ヵ月間のうち、4回転倒している。
なるほど、とくだんトレーニングとかをしていないと、こんなになっちまうのか。
サ高住に入所していたヒトたちは、というと、ほぼ全員シルバーカーか、杖を頼りに歩くのがやっとらしい。
ただ、ひとりだけ例外で、90代でも杖なしで歩けるヒトもいたという。
しかし、100歳を越えたとたん、体調を崩してしまい、もう姿を見かけなくなったそうだ。
入院したのか、退所したのか、急にいなくなってしまうヒトがいても、入所者さんのあいだでは、もう「そのヒト」についての話題は、避けるようになるらしい。
さて、母の運動事情はというと、もともと身体を動かすのが好きじゃないのよね。
だから、過去を振り返ると、たまにウォーキングをはじめても半年ぐらいかね。
好きじゃなかったら、まあ、そんなモンっしょ。
母には申し訳ないけど、んー、反面教師にするとしたら、
「あるていどの運動を、ずーっと継続してやるべし」ってことかのう。
コレをやっていないと、いつかは「杖 → シルバーカー」になっちゃう。
シルバーカーでしか歩けないと、これね、結局「両手がふさがっていて使えない」ので、モノひとつ取るにしても、他人の手を借りることになるのだ。
もう洗面所で顔も洗えなくなるのよ。
だから、そうなっちゃう時期を、できるかぎり遅くするには「いまから運動」なんだよねえ。
というわけで、私は、つぎの理由で運動をつづけることにした。
1.骨密度を増やして、骨折リスクを避ける。
2.足腰を鍛えて、自分の足だけで歩ける時期を長くする。
そして、いまやっている運動メニューはつぎのとおり。
1.四つんばいになり、片手ずつ床をトンと叩く。
1日合計50回。(朝15回、昼20回、夜15回)
これは、腕や手首の骨のため。
骨は「衝撃」を与えることでつくられる。
骨細胞には「骨にかかる衝撃を感知する」という働きもあり、衝撃があると、新しい骨がつくられ、骨密度が増加する。
2.立った状態で、両足のかかとを上げ、床にトンと落とす。
1日合計50回。(朝15回、昼20回、夜15回)
これも、足関連の骨のため。
3.踏み台昇降運動
現在、1日合計45分。(朝15分、昼15分、夜15分)
これは、毎日曜日に「3分ずつ増加中」。
最終的には、1日合計90分が目標。
やっていて、いっちゃん楽しいのが「踏み台昇降運動」だねえ。
まだ低い段差にしてあるが、ちょっと上がって、ちょっと降りる運動なので、バランスを取る必要もあり。
そのとき、足の裏に均等に力をこめるのが、わりと快感でしてな。
お、肉体が(ちょっと)めざめるぞ!みたいな感覚が心地いい。
そしたら、以前スポーツジムでやっていた「ウォーキングマシン」は、生ぬるかったなあって。
ヒザが痛くならないように、バーに両手でつかまって、ちんたらちんたら歩いていた。
それって、ほんまシルバーカー押してるばあちゃん状態やん?
意外なことに、いちばん安上がりな「踏み台昇降運動」が、自分にはぴったりだった。
こういうの、ずーっとやってみて、さあ、次回の骨密度検査の結果がどうなるか?だね。