早朝4時に目が覚めてしまって心臓ゴトゴト。くっそ~とふてくされていたら、もう会社に行く気がなくなる。休む連絡をしようと思ったが、これがけっこうてこずる。外線電話は時間外でつながらない。それで緊急の外線にかけたら、1回目は全然ちがう部署につなげられるし、2回目も別の部署間をたらい回し。え?こんなに難しいの? 結局、上司のメルアドにメールした。
ぼーっとしながら病院へ行く。しんどい。初診になるからすごく待たされそうだし、内科の受付で超絶しんどいフリをしたら、あらら、ベッドに寝かせてくれた。すぐ心電図。で、とりあえず、みたいな感じでお医者さんがわざわざベッドまで来てくれて「心電図はまったく正常です」。やっぱりね~
先生「どんな感じですか?」 私「胸のあたりがゴトゴトします」 先生「そりゃ、音でしょ? そんな音が聞こえるの?」「いや、聞こえるわけではなくて、そんな感覚がするんです」「感覚じゃわかんないね」「う~ん……そうですね、『不穏』というのがいちばんぴったりくるんです」「不穏って日本語はますますあいまいだ」「じゃ、『動悸』でどうですか?」すると先生は苦笑いをして「わかりました。またあとで診察します」と言った。
あとは採血、X線とかの検査だけど、はは、車いすで連れて行ってくれた。ラクチン。いや、そんなことしなくても大丈夫だけど、前の病院でも心臓というとだいたい車いすで回ってくれる。検査が終わったらひたすら寝ていた。カーテンのしきりはあるが、ベッドがびっしりとギュウ詰め状態。
隣のおじいさんがゴウゴウゼロゼロいびきをかいて寝ていて、そこに診察に来ているお医者さんが「うん、これこれ、この堅いのが胃がんです」とでっかい声を放っていた。もちっとデリケートさが欲しい。てか、個人情報とかどうなんの?
4時間ほどたって、最初のお医者さんがベッドに来てくれた。「どっこも悪いところはないです。それでね、考えられるのは更年期障害かパニック発作ですね。循環器はなんともないから安心したでしょ?」 ふうん、やっぱりそうか。納得。
先生、ちょっと気を遣いながら「ええと、年齢的にもしかしたら更年期じゃないですか?」 うん、そうだよ、だいたい去年までここの病院の婦人科でホルモン補充療法を受けていたんだよ。カルテ、見てちょ。ああ、忙しいからきっとそんなの見ていないんだ。
ま、なんでもいいので私は「そうですね、たまに暑くなったり汗かいたりもするので、更年期障害なんですね~」 先生「そうだと思います。だから婦人科を受診してくださいね」 というわけで、病名:更年期障害。なかなか使い勝手のいい病気に落ち着いた。これからは「更年期障害だからしんどい」と連呼できる。
いや、ホント、しんどいのはしんどい。でもとりあえず上司に電話で報告。ああ、みっともねーなーと思いながら「循環器はなんともないです。更年期障害らしいです」と話したら、「明日も休んだらいいですよ。それに、ぼくは来週月曜日も出張だから、月曜までゆっくり休んだらどうですか?」「いえいえ、あのデータ修正をなんとかしないと」「あれはなるようにしかならないから、気にしないでいいですよ」
はあ、申し訳ないなあ。そんなに長い間放っておくわけにいかないけど、そう言ってくれるお気持ちはありがたくちょうだいする。と思いながらも、じっくり自分のココロのなかを観察すると、けっこう疑惑がうずまいている。やっぱり母とのコミュニケーションが骨の髄まで沁みついているので、最終的には、すべてのヒトから怒られまくるんじゃないか?という怖れがいつもついて回るんだよ。
ああ、もっと自分軸で生きないとね。相手の態度に振り回されないようにならないとね。いまの会社では、上司も他の人もみんなよくしてくれるんだから、それをすなおに受け取らないとね。なので、病院から戻ったあとはずっとフトンのなかでゴロゴロしていた。ともあれ、なんともなかったので一安心。