「飛蚊症」になった。
2023年10月9日、急に右目に、黒い糸クズみたいなモノが、ヒョロヒョロ見えた。
まあ、数本ていどかね。
数十本も見えるわけじゃない。
けど、ずーっと糸クズたちが、上下左右勝手気ままに、私の右目でうごめいている。
さいしょのうちは、あ、髪の毛が!と思い、ついうっかり手で毛をつまもうとした。
そうじゃねえな。
こりゃ、きっと「飛蚊症」ってヤツだな。
日ごろは、まあ、そんなに気にならない。
しかし、キンドル(電子書籍)を読むときは、むっちゃうっとうしい。
糸クズ野郎が通過するたんびに、画面がかすむんだよね。
あたしゃ、キンドルと心中したいほど大好きなのに、おまいら、ソレ邪魔すんのかいっ?!
アタマにきたので、10月17日に眼科クリニックへ行った。
ウチで母ひとりにするのはあぶないので、至近の眼科へサッと行く。
お医者さんは、いろいろ診てくれた。
あの糸クズ、先生にも見えるんだね。
先生「ああ、飛んでる飛んでる」
そう言われると、なっ? ほんまやろっ?!て思って、すごくうれしかった。
で、やっぱり飛蚊症ってヤツで、
「老化によるものです。
たいていそのままでいいですが、念のため、1ヵ月後に来てください」
なので、今日も行った。
母は、私が留守にするのを不安がっていた。
「帰りに買い物しても、2時間ほどで戻って来られるよ」と言っても、心配そうにしていた。
が、まあいいか、と割り切って、クリニックへ行ってしまう。
ひとりになれる時間があまりないので、クリニックでの待ち時間が楽しかった。
またまたキンドルを読みふけっていて、診察で呼ばれたら、ハラが立った。
先生はおかまいなしに、
「とくに変わりありません。
これからもし、大量に飛ぶとか、隅が暗くなるとか、そうなったら来てください」と言われた。
なるほど。
これからの人生、この糸クズらとともに、生きねばならぬのか。
ただ、わりと慣れた。
ウザいけど、そんなモンだ思えば、どうってことない。
さっさと買い物してウチに帰る。
母の部屋に入ると、暗く冷え切っていた。
節電のため、部屋のあかりは付けないし、エアコンもめったに入れない。
ラジオもテレビも付けずに、母は椅子に座っているが、暗くて表情もわからない。
以前の私だったら、「エアコン付けたら?」と思わず言っただろう。
でも、いまはなにも言わない。
母が寒そうにしていても、エアコンをどうするか?は、母自身にまかせることにした。
しかし、母から頼まれたことは、やるようにしている。
足親指の巻き爪は、カサブタも枯れてきて、もうじきはがれそうだ。
もちろんウミなんか出ていないし、痛みもない。
けれども、母は、その部分にガーゼを当てて、テープで二重に止めて欲しいという。
以前、化膿していて、ウミが靴下に付いてしまったので、またそうなることを怖れている。
こういう依頼は、快く引き受けている。
それで安心できるのなら、いいことだと思って「おまじない」としてやっている。