「推定される入院期間」がわかってドギモを抜かれる│救急搬送された母│その3(最終回)

日々のあれこれ

さて、入院当日であっても、家族が本人のそばに居られるのは、15分。

あ、11月中はまだ「10分が規則」なのに、5分オマケしてくれた。

でも、15分はあっという間。

母に「2週間後にまた来るからね」と手を振って、病室をあとにする。

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ひええ、面会制限、キビしいのう。

父が入院していたときは、当たり前のように毎日お見舞いに行った。

私の顔を見るなり、「待ってた」とクシャクシャの笑顔になる父が、すんごくかわいかった。

なので、ついうっかり、今回母の入院でも、どうせ毎日行くしねえ、などと悠長にかまえていたが、大まちがいだった。

で、帰りしなに「入院診療計画書」ってのをもらった。

それを見ると、こう書いてあった。

・病名│脱水症、食思不振症
・治療計画│点滴治療を行います
・推定される入院期間│数ヵ月を予定します

はああっ?! 入院、数ヵ月ってマジすかっ?!

ふつう、そんなに長く置いてくれないっすね、このごろ。




それに、そこまでかけないと、回復せえへんのかい?

そうだ、あの内科クリニックの先生が、どこの総合病院にするか、考えておられたな。

あのとき、先生はいくつかの病院名を、私に教えてくれた。

けどな、あたしゃ、こっちの地方に住むのははじめてで、右も左もわかんねえ。

そしたら、先生が、

「K総合病院は、わりと長く置いてくれるからね」と言われて、そこへの紹介状を書いてくださったのだ。

母ちゃんは、あの先生のこと、ボロクソにののしっていたけど、うう、ええ先生やないか。

転院しないで置いてもらえる病院にしてくれて、ほんま感謝。

さて、病院では「アメニティセット」というのを申込みした。

ま、言われるがままに「はいはい」と記入した。

パジャマやタオル、日用品、おむつがセットになって、毎日交換してもらえるヤツ。

だが、ウチに帰ってじっくりながめると、た、高っ!

1日あたり988円もする。

1ヵ月入院したら、29,640円!




あわてて、病院に電話して、

すいませ~ん、こんなんウチら、よう払えまへん。

パジャマ、タオルとか、持って行きます。

あと、おむつは持込みで……」

「衛生上、おむつ持込みは禁止です」

「はーい、はいはい、了解っす」

まあ、そうだと思った。

だいたいこういう病院は、おむつ代とかで、ホニャララするんだよね。

父が入院していたときも、「布おむつ代」として、月8万とかだった。

しかも、そこの病院は、支払いが「現金書留限定」。

なんかアヤしい香りがプンプンただよう病院だった。

その点、K総合病院は、まだ良心的。

おむつ代だけなら、月16,110円。




でもぉ、まだ高いよう。

その後、急遽、母のパジャマ4セット、靴下8足、ショーツ2枚、タオル6枚、バスタオル2枚、ティッシュ2箱、ウェットティッシュ1箱、マスク100枚、歯ブラシ、はみがき、コップ、部分入れ歯、入れ歯入れ、ボディソープ、シャンプー、リンス、化粧水、乳液、ヘアブラシ、時計、腰コルセットを用意。

ものすごい量なので、紙袋とかぜんぜんムリ。

なので、プラスチックのケースを3個用意したら、きれいに収まった。


面会はできないけど、荷物や洗濯物の受け渡しは、病院1階の受付でやってもらえる。

で、コレを3個積み重ねて、病院の窓口へ持って行ったら、案の定、すっげえイヤな顔された。

だよね、コレ、カラーボックス1個分ぐらいの量だもんね。

すんまへんのう、貧乏人で。

けど、積み重ねられるし、モノはひと目でわかるし、母にはそこそこ便利ではなかろうか。

お風呂用品とかは、「温泉セット用のカゴ」にひとまとめにしておいた。

母にまだ、よろこぶ元気が残っていたらいいのだが。

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