私「はい。あの、栄養の状態っていうのは、どんな感じですか?」
主治医先生「えっとね、ちょっと待ってね」
先生、検査票を探しておられる。
「すいませんね」
先生「ええと、栄養の指標というのは、このアルブミンってのが、……ま、来たときやや低下だったものが、
やっぱり食事摂れてないので、2.6って数値で、まあ、あの、低いですね。栄養の指標としては」
私「ふうん」
「まあ、ただ経管の、胃ろうとかの栄養しても……」
「はい」
「まあ、ガッと上がるとかいうことは、正直、あんまりないと思う」
「あ、なるほどね」
「まあ、2.7とか2.8に落ち着くんじゃないかと、思いますけど……
う~ん、まあ、胃ろうとかを積極的にやってる病院も、あると思いますので」
「はい」
先生「もうちょっと、もし、いや、そのう、ま、ここで、その直接胃ろうってことは、
ま、僕も臨床的に10年以上も、こういう内科やってますけど、経験ないので。
今回みたいなご希望のかたって、はじめてなんで」
私「はあ、そうなんですね」
先生「いや、ふつうじゃないですよ」
「はあ」
「ふつうじゃないですけども」
私「すいません、変わり者ですね」
「はい。
なので、ま、あのう、そういうご希望が明確であるならば……」
「はい、それはハッキリしてますね」
「はい、その要求を満たしてもらえる病院を探してもらうほうが、近道かもしれない。
僕も、それを積極的にやってるヒト、ちょっとわからないんですけど」
「あー」
先生「う~ん、ただ施設的な限界が、どうしてもありますし」
私「はい」
「ま、あのう、えー、そういうかた、あー、っていうのを治療、
積極的にしてくれる病院を、ま、探すってことかな、と思いますね」
「あの、ちょっとお尋ねしてもいいですか?」
「はい」
「あのう、私もシロウトですけどね、そういった病院の探しかたっていうのは……?」
「いや、わかんないです。わかんないです。ちょっと僕も、周りにちょっとそういう……
う~ん、とくに、最近はとくに、そのう、まあ……」
「まあ、しない方向ですよね?」
「そうですね」
「わかります、それは」
「う~ん」
私「そんな、まあ延命治療はね、どちらかというと、むしろ問題とされているというか」
先生「ま、医療費も圧迫していますしね。ま、そういうのもあるんですけど、ま、それはべつの話で。
そのう、あのう、ま、『トコトンやってほしいというヒト』なんですよ」
私「ま、そうですね、はい」
「『トコトンやってほしいというヒト』が来る病院じゃないんですよ、どちらかというと、ココは」
「はあ、すみません」
「うん」
「それは、まあ、〇〇医院の先生も、ご存じなかったと思いますからね」
「いや、ぜったい知ってますよ。
〇〇先生は、だって、あのう、病院を調べてはったと思うんですけど」
「はい、いくつか、おっしゃっていましたね、はい」
「うん、なので、ま、いま肺炎、治療してるので、もうすぐの退院てのは、いいと思うんですけども」
「はい」
「ま、あのう、来週中盤ぐらいで、肺炎の状態が安定してきたところで、
ま、いったん退院して、そういう病院ってのを探すっていうのが、いいんじゃないかな、と思いますけど」
「はい」