毎日、病院へ手紙を届けに行っている。
しかし、受付のヒトが事務的に受領するのみ。
以前は、週2回ほど洗濯物を受け取ることもあった。
だが、いまは、それもない。
着替えをできない状態なんだ、と推測する。
母は、どうなっているのだろう?
元旦に、母からもらった数行の手紙は、大きく字が乱れていた。
それからいま、どうなのか。
でも、知る方法がない。
「なにか」あれば、病院から電話はある。
それはおそらく、危篤のときのみ。
昨日今日と、病院からの電話はないので、ふう、存命中にはちがいない。
あの病院に入院している家族は、毎日みんな、こういう思いをしているのか。
いや、面会ができないのは、いまの病院のせいではないから、まあ、しかたがない。
思い返すと、夏ごろは、あんなに元気だったのに。
と、あまりの急変ぶりに非常にとまどう。
だが、これはもしかすると「アレ」の亜型かね?
アレですよ、アレ。
よくうらやましげに語られるアレ。
そう、「ピンピンコロリ」だ。
「つい、こないだまで、あんなに元気だったのに」と仰天されるのが、ピンピンコロリ。
母も、あんなにキゲンよく、私とおんなじ量の食事をペロリとたいらげて、大声でしゃべって笑って、はしゃいでいた。
だのに、ガタガタガターッと、崩れ落ちるかのように、動けなくなってしまった。
経鼻胃管をしていなかったら、ほんとは、もうこの世にはいない。
う~ん、それだったら、やっぱりピンピンコロリに相当近い。
でもな、そんなにコロリといっちまったら、そりゃタマらんわ。
母も私も、まったく心の準備ができていない。
だからいま、引き延ばしている。
文字通り「延命」。
先々のことは、心配でもある。
たぶん今月中に、胃ろう造設手術だ。
その前日は、自宅に戻ることになっている。
そのときの母の状態がどうなのか、これも、いまはわからないし、その当日病院に訊くこともできない。
ここらへんが悩ましくて、とくにトイレはどうなってるか?が問題。
もうオムツなのか?
じゃあ、どんなオムツを用意しておくのか?
たぶん、歩けないだろう。
じゃあ、どんな車椅子を用意しておくか?
まあね、いま書いていたら、オムツと車椅子ぐらいだから、そうたいしたことねーんだが、その翌日、手術する病院へ連れて行かないといけない。
どうなってるかわからん母ちゃんを「お持ち帰り」するのは、けっこうむずかしい。
でもまあ、なんとかなるか。
いまから9年前、脳梗塞で寝たきりの父ちゃんを、自宅に運んだことがある。
入院していた病院から、私のマンションまで、福祉車両のレンタカーで車椅子ごと移送した。
当時の実家にも寄って、父の布団や衣類も乗せて、それから父ちゃんも積み込んで、80kmの移動。
いやあ、9年前の私は、まだ若かった、52歳。
今回も、福祉レンタカーを選択肢に入れているがね、あんまりバタバタすると、私もトシだからダウンしそう。
高くつくけど、介護タクシー案も考えてみよう。