自分の性別がよくわからないひとって、やっぱり少数派なんだろうな。私は、とくに悩みにまでは発展していないが、自分の性別がようわからん。いちおう女性のカラダだけど、極端に胸が平らなのでよく男にまちがえられる。ノーブラ、タンクトップでも「よお、兄ちゃん」と話しかけられたこともある。そのくらいなんの隆起もない胸板だ。
で、私自身が、見た目で気になるのは女性だけだ。男性は目に入ることがない。どっかに美人はおらんか?といつもキョロキョロしている。ぼーっとしていると、つい女性を目で追っている。でもなあ、積極的に女性のパートナーを欲しいとまでは思わない。たまに街でビアンのカップルとかを見るとスゴくうらやましいけど。
そこらへんの妙な具合は、カウンセラー先生には丸バレで、以前セミナー中に私が言ったコトバに対して、先生に「春子さん、ソレ完全にオトコ目線だね」と言われたこともある。をを、さすがプロ中のプロやんけと唸ったもんだ。
ところが、最近は「女装」がマイブームだ。きっかけは、髪を染めて化粧をはじめたこと。去年の秋に行っていた職業訓練で、訓練生の若いひとたちに勧められて、生まれてはじめて毛染めをした。アドバイスのとおり化粧もはじめた。そうしたら、けっこう女装も楽しいなあと意外にもハマッた。
そして、自分の声はソプラノらしく、しょうがないので合唱で黄色い声を張り上げていると、ますますオカマちっくになってきた。そ、気分はオカマ。なので、初釜?のようにドキドキしながら、これも生まれてはじめてスプリングコートを買ったり、20数年ぶりにスカートを買ったりと女装に拍車がかかっている。
イヤリングは大昔に買ったことがあるが、ネックレスは生まれてはじめてだったな。買うときはかなり勇気がいった。うむ、世のオカマたちも同じような気分であろう。
バッハの宗教曲は、本来男声のみで歌っていたそうだ。典礼への女性の参加は制限されていたから、女声の音域は少年が担っていた。なので、ハナシはますますややこしい。ホントウは少年が歌っていた旋律を、おばはんなのかおっさんなのかオカマなのか判然としない私が歌うわけだ。
まえにEテレで、生まれつきの性は男性だが、日によって気分が女性になったり男性になったりするヒトのドキュメンタリーをやっていた。ああ、日によってちがうとか、場所によってちがうとかスゴくよくわかるなあと思った。
Facebookでは50種類も性別を設定できるそうだが、それもなあ、私みたいにコロコロ変わるヤツはどないしたらええねん? まあでも、とりあえず歌うときはオカマになり切っている。うふん、ひらひらスカートも悪くないわねえ。