母への手紙│こうやって「手抜き」することにした

日々のあれこれ

「コロナ発生」とのことで、母の退院は延期されたようだ。

まあ、病院が決めることなので、気長に待とうじゃないか。

と、私はあんまりオタオタしなくなったが、母はかわいそうだねえ。

そもそも一日をどうやって過ごしているんだろう?

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いつだったか、面会のとき、「ヒマで退屈」と言っていたが、そりゃそうだ。

ほぼ一日、ベッドにいるだけで、テレビぐらいしか気晴らしがない。

話相手もいないし、母の場合、「食べる楽しみ」までなくなってしまった。

食事時間には、人工栄養が胃ろうで点滴されるだけ。

う~ん、よく耐えているなあ。

いまの私が長期入院したならば、まずネットは必須。

ただ、どうしてもネットがダメなら、本と音楽で代用できる。




とくに本はキンドルに放り込んで、それ、読んでいたらいい。

音楽は、バッハ全集(CD150枚?)だけで一生間に合う。

もし、本も音楽もなかったらどうしよう?!

そしたら、なんか「書く」かも。とりあえず小説でも書こう、自分用に。

入院とかでピアノが弾けなくなるのは、非常につらいな。

とにかく私は、なにかやっていないとオカしくなりそうだ。

いま現在、ピアノに精力投入しているのも、ソレが理由でもある。

「自分が没頭できる楽しみ」がないと、拷問みたいになりそう。

さて、だから、いまの母がこんなに長期間、なんにもなしでよく過ごせるな、と感心している。

そういえば、父も脳梗塞で半身不随となり、約2年間老人病院に入院していた。

さいしょは、私が自宅で見ていたけど、5畳一間のマンションだったから、さすがにムリだった。




介護ベッド入れたら、ほぼいっぱいで、残りの幅が80cmぐらいか。

自分のベッドは捨てたので、流し前の80cmの余地で寝ていたが、そんなん長つづきしませんね。

とちゅうで父も体調をくずして入院、以降亡くなるまでずっと入院生活。

父こそ、身動きできないので、ほんとなんにもできずに、ただ寝ているだけ。

いま思い返しても、いや、どんなにかつらかったか。

ええと、退屈で。やることがなくて。

そう、私だったら退屈すぎて気が変になりそうだが、80過ぎたら、もう退屈も感じなくなるのか。

んで、もうしばらく「母の退屈しのぎ」をなんとかせんとな。

あのー、手紙のネタも尽きてきたのよ。

昨日の手紙には、私が小学1年生のときのエピソードを書いた。




母が私に、小泉八雲の「耳無芳一の話」を話してくれたのだ。

朗読とかじゃなくて、ぜんぶ「そら」でよどみなく聞かせてくれた。

子どもながらに、よくこんなに上手にしゃべれるなあ、とびっくりしていた。

平家の亡霊が「芳一! 芳一!」と呼びかける声音とか、いまでもすごくよく覚えている。

で、昨日の手紙は「前フリ」ね。

今日からは、手紙本文は2枚にして、あとは「耳無芳一の話」を連載することにしたのさ。

耳無芳一、ぜんぶで約8,000字なので、分割したら、だいたい一週間はかせげそうだ。

母は、小泉八雲の怪談が好きだったので、芳一のあとは、ほかの怪談短編でしのごう。

ただし、いまの母が読んで楽しいかどうか?がわからない。

けど、自分がしんどいんで、これからは、手紙の大半を小泉八雲になんとかしてもらおう。

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