母ちゃん、今朝も元気に起きていた。
ただし、ここしばらく「起床時刻」について悩んでおりましてな。
母「5時か6時か、すごく迷っているの」
そもそもサ高住にいたころ、5時起床→9時就寝だった。
なので、去年7月に同居してからも、その慣習を忠実に守ったんですよ、私。
で、入院していたとき、どうだったのか?
母「やっぱり5時に起きて、まだ病院の電気も付いていなくて。
コール押して、看護師さん呼んでトイレに行ってた」
じゃあ、5時起床が母ちゃんにはピッタリなんだね。
だから、昨日の朝から5時起床にしてみたら、母ちゃん、まだ寝ていた。
母は目覚まし時計をかけない。
「朝5時に、しぜんにスーッと目が覚める」のが理想。
5時に寝ていたら起こしてね、と頼まれていたので、私が部屋の灯りをつけてゴソゴソしていたら、母も起き出した。
そして「眠い」と言う。
6時起床は遅いし、5時は眠い。
じゃあ、5時半はどう?と提案すると、
「中途半端ですごくイヤ」と顔をしかめていたが、最終的に5時半に決めて、今朝は5時半に部屋を開けると、もう起きてベッドに腰かけていた。
母「今日は5時に目が覚めて、待っていたの」
なるほど。
几帳面だから、5時なら5時で、毎日その時刻に目が覚めて、そのときに私がトイレへ連れて行ける、というシチュエーションを期待しているんだな。
私も、早起きのメリットは実感していたので、じゃあ、やっぱり5時まえに起きて準備しよう。
朝の胃ろう注入は、いつもとおんなじだった。
しかし、昼前に母の部屋をのぞいたら、しょんぼりしている。
「どうしたの?」
「さっき、胃のほうからプクッて出てきたの。
すぐに吐き出せなくて、飲み込んじゃった」
「ああ、それは飲んでもだいじょうぶだよ。
たまにゲップが出るでしょ? それみたいなヤツだから」
でも、お昼の胃ろうをしようと用意していたら、「やめておく」と言う。
母「なんか胃が重たいの」
「ふうん、じゃあ、いちど胃のなか、調べようか?」
看護師さん用胃ろうケアの本によると、胃ろうのチューブにシリンジ(注射器の太いヤツみたいなの)を付けて、胃内容物を「引いて」調べるとある。
「引く」というのが、いかにも業界用語?っぽい。
ふふ~ん、おもしろそうだな。
さっそくシリンジを取りつけて、恐る恐る「引いて」みる。
そしたら、胃のなかから、栄養剤がヒューッとチューブのなかを通って出てくる出てくる!
私「あ、あるある、まだ残ってる!
母ちゃん、よくわかるねえ、まだ胃に前に入れたヤツ、残ってるよ」
「引いて出てきた栄養剤」は、ゆっくり戻すとのこと。
その通り、こんどはそうっとシリンジを押して、中身を注入した。
で、昼食はお白湯だけ。
夕食、母ちゃん「もういらない」と言う。
私「スキあらば食べようとしないね。
なんのために胃に穴開けたんだよ?
食べないと、力が入らなくて、またコロんじゃうよ」
念のため、また胃のなかを調べてみる。
シリンジを引いてみたら、おおっ! こんどは「引けない」よっ!
胃のなかが空っぽだと、まるで真空状態のようで、シリンジそのものを引けないっ!
私「胃になにもないよ。晩ごはんはちゃんと入れようね」
注入のあと、母ちゃんは電動ベッドをほぼ直角にして、動こうとしない。
軽~い逆流にコリてしまって、自分で「壁」みたいな角度にしている。
いや、そないに刑務所の塀じゃあるまいし、そびえ立ってなくてもええやん?