要支援・要介護の場合、デイサービスに通うことも多いだろう。
ウチの母は、サ高住にいたとき、その建物の1階がデイサービスだったので、週3回行っていた。
エレベーターで降りるだけなので、シルバーカーを押して自分で往復できる。
そして、デイがはじまるまえに、機械浴で入浴していたわけ。
利用者さんが、順番にどんどん入浴し、上がったヒトたちは、塗り絵をしながら全員がそろうのを待つ。
手作業が苦手な母にとって、塗り絵は苦行だったという。
まあ、施設に入っていると、スケジュールや決まりはぜんぶ施設に合わせないといけないから、それがねえ、本人にはしんどいよね。
さて、お風呂サービス比較の続き。
病院の入浴介助
まだ入院しているときから、数少ない面会の折り、母ちゃん、声をひそめて、
「お風呂がヒドいの! まるで動物を洗ってるみたい」と顔をゆがませていた。
退院してからくわしく聞いた。
まず、お風呂スタッフが怒鳴りつけるらしい。
「おらぁ! はよソコ座って!」「ちがうっ! こっち向け!」「早うせんか!」と罵声を浴びせるそうだ。
私「ええと、そりゃまったくもって刑務所だね。
私、吉村昭の『破獄』を読んで、網走刑務所とかめっちゃ知ってるけど、まるで刑務所の……」
母「そうよ! まるで看守よ!
それにシャワーもなくて、バケツに汲んだお湯をぶっかけるのよ!
牛や馬でも、もうちょっとていねいに洗ってもらえるわ!」
どういうわけかソコの病院は、入浴スタッフは「看守役になるプレイ」とメニューが決まっているらしい。
5階の急性期病棟でも、4階の地域包括ケア病棟でも、入浴スタッフは鬼のように怖かったそうだ。
たぶん、そんなオラオラ介助は、いまどきめったになさそう。所要時間は15分。貴重な最低レベルだ。
在宅│訪問入浴介護
ブログで何度か書いているとおり、この「訪問入浴介護」が最高レベルを誇る。
ふつーのバスタブと介助者3名(1名は看護師さん)が、ウチに来てくれるからねえ。
出典 https://www.care.co.jp/service/visit-bathing
このサービスは、じつに至れり尽くせりで、健康チェック(血圧、酸素濃度など)、爪切り、耳掃除までやってくれて、所要時間50分~1時間。
母ちゃん「いままでの人生で最高のお風呂!」と絶賛。
ちょっと調べてみたら、訪問入浴の歴史はけっこう古くて、1970年代から特殊車両で専用浴槽を運び、入浴介助していたらしい。
このサービスがはじまる以前は、寝たきりのヒトが10年以上お風呂に入れず、清拭のみだったりしたという。
私も父を介護していたときは、こういうサービスをまったく知らなかった。
父は風呂嫌い、かつ無頓着だったので、私は身体を拭くこともしなかった。
ついでに、介護がタイヘンすぎて、私自身もシャワーを浴びなくなってしまうありさま。
そのときのケアマネさんが、見かねて、父をショートステイで入浴できるようにしてくれ、私には、
「春子さんもお風呂に入ってください」とおっしゃった。
私も相当クサかったんだね。
さて、いまではこの極上「訪問入浴介護」が週1回来てくれるので、お風呂問題はすっかり解消した。