必死こいて最後の仕事を仕上げた。午前中に出来上がった。完璧はもうあきらめたので、まあほどほどにした。ああ、しんどかった。
そしたら、上司からまたまたメガトン級の新しい仕事を指示された。「今週中に完成させるように」とのこと。
……ふと思ったけど、仕事を断ることってできないものかね? 私は断ったことがないけど、いやいや、べつに断ったって本当はかまわないはずだ。まあね、こんなに怒涛のごとく次々と指示されるのは、きっと私が辞めるまでにできるだけやっておいてもらおうというつもりだからだね。
う~ん、どうしようかなあ?と悩んだが、ま、いいか。最後のご奉公ということで、明日だけはサービスしちゃおうか。しかし、完成度は落とさんと間に合わない。もう割り切るぞ!
いつもそうなんだけど、隣室の女のコがとてもやさしくて私を気づかってくれる。今日もこっそりと「大丈夫ですか?」と言ってくれた。ホント、このコはちょうちょみたいにかわいい女のコで、そう言われたあと考えていたら、もしかしてこのコのやさしさに触れたくて、私は仕事を丸投げされるように自分を仕向けているんじゃないか?と思った。
心理学では「すべての事象は自作自演」ととらえる。こういう状況全部を私自身が作り出しているのだと思うと、モンシロチョウみたいな女のコにひらひらしてもらいたいのが、私の本心かもしれない。でもだれかにやさしくしてもらうと、いっぺんに気もちが変わるもんだね。
帰宅してからは、また歌の練習。でも絶望的にヘタクソ。そりゃま、56才からはじめたからムリないけど、いったいどうしてはじめちゃったんだか、ホンマ、バッハを恨むわ。あんたのせいで、毎日毎日発声練習やって、ピアノ弾きながら延々部分練習して、それだけやってもとっつもウマくならなくて気分悪くて、どーしてくれるんや! はあ。