日を追うごとに足が弱っていく母。
それでも本人は「絶対ふつうのトイレを使う!
ポータブルトイレはイヤッ!」と断固拒否していた。
2月末退院してから、しばらくのうちは、シルバーカーでトイレを往復していた。
でも、私がガッチリ支えていないとダメで、いちど私の腕が脱臼気味になるほど。
その後、もう歩くことがデキなくなり、トイレ往復はキャスター付きイスで。
コレは、ケアマネさんや介護用品スタッフさんから猛反対。
「危険だから、なんとか車椅子で」とみなさんから説得されるも、「車椅子、ヤダッ!」と拒否る母ちゃん。
なかなかに手強いばあちゃんですのう。
けれども、リハビリもイヤだというので、ほぼ寝たきりだったら、みるみるうちに足が衰える。
「ベッド-イス」と「イス-便座」への移動が、非常にむずかしくなり、1回のトイレに30~40分かかるようになった。
とくに「イス-便座」は、身体の向きを180度回転させる。
それがもう、デキなくなってしまった。
つくづく思ったけど、便座の真横に車椅子が入るスペースさえあれば、まだトイレを使えたのだが。
まあ、ふつうの賃貸マンションで、そんな高齢者仕様のトイレは無い。
結局、母自身もトイレ移乗がむずかしくなりすぎて、とうとうポータブルトイレにすることになった。
とはいっても、
母「ポータブルトイレって、使ったことがないから、わからない、イヤ」とぶうぶう言っていた。
さて本日、ケアマネさんと介護用品スタッフさんが、お試しポータブルトイレを持ってきてくれた。
私も、介護用のポータブルトイレを見るのは、はじめて。
むかし、車中泊をしていたときは、クルマ用のポータブルトイレを積んでいたけど。
ごくごく小さく、でも手動水洗で、すんごく便利だった。
私はコレが使いやすかったので、ポータブルトイレにまったく抵抗ない。
介護用ポータブルトイレは、安全性重視で、かなり大きく手すりもガッチリ、なかなか立派だ。
ベッド脇に置いたので、移動もカンタン。
でも、移るだけに15分はかかるけど。
ところが、母ちゃん、トイレに座ったはいいが、出ないのよ。
出したい気もちはあるそうだが、まったく出ない。
これはもう、年齢というよりも、母の性格だろな。
もともと新しいモノに手を出すのが苦手だし、「ふつうのトイレ」でしか用を足せない。
ちなみに、入院中におむつを強要されたが、一滴も出せなくて、看護師さんがしかたなくトイレへ連れて行ったらしい。
ポータブルで出ないのも困ったもんだが、あまり長い時間起きていると疲れてしまう。
しょうがないので、いったんベッドに寝てもらい、休憩してからまたまたポータブルトイレに挑む。
母「ふつうのトイレに行きたい」と言うが、
私「いやいや、なんとかポータブルに慣れないといけないから、がんばって」と励ます。
それから2時間ほど、あーだこーだ慰めたり、なんやらかんやらしているうちに、ようやっとチョロチョロ出すことに成功した!
ふう。