7:30起床。車内温度18.5度。ふたたび寒くなった。外はくもり空。でも、くもっていると落ち着いて、これはこれで悪くない。寒いのにも慣れてきた。もともと寒がりなので北海道では日中でも上4枚、下2枚着込んでいる。
9:48 道の駅「サロマ湖」、出発。昨夜車中泊をしていたクルマは数台でとても静かな夜だった。
たいていそうだが、今日もぜんぜん予定を立てていないので行き当たりばったり。まずは郵便局に行って、はじめてお金を下ろす。ふだんはゆうちょ銀行をまったく使わないが、今回はある程度預金しておいた。郵便局だけはどんな地方でもあるので、じっさいに下ろしてみてちょっと感動。
相変わらず道が空いているので、何キロで走るとどんな具合か試してみた。私は極端なグズなので60キロでもしんどいんだよね。まあ、がんばって50キロ。で、40キロが大好き。ぜんぜんほかのクルマがいないのを見計らって、30キロで走ってみたがこれでもいいかも。とにかくのんびりしていたい。
昨日のハイキング疲れが残っていて、また温泉を渇望。ナビで検索すると、遠軽町生田原(えんがるちょういくたはら)にあるホテルがヒットしたので行ってみる。
12:14 「生田原温泉ホテルノースキング」、到着。公営の宿泊施設らしい。
レストランが……あらら、こんなにいい雰囲気だとは!
個室席もある。でも、景色を見たいので窓際の席に座った。
「スーパーケアサラダプレートセット」を注文。今月のおすすめらしい。ごぼうの冷製スープがおいしい。
プレートいっぱいのサラダ。
お約束のホタテもあるし、
ぶ厚いボイルポークもある。
デザートはさくらんぼ。甘いものじゃないのがうれしい。
いやあ、ものすごくおいしいしヘルシーだし、このレストランが気に入ってしまった。ここに宿泊すると、朝食はバイキングらしいが、きっとおいしいだろうなあ。それに、ここはBGMが私好みのクラシックで合うんだよね。
ごく小さい音で流れているけど、食後に無料サービスのコーヒーをぼーっと飲んでいたら、ちょうどシューベルトの「ます」がかかった。ああ、いかんねえ、そんなモノを聴いたら理性が吹っ飛んでしまうがな。
ま、べつに車中泊に固執しているわけではないので、そのままふらふらとフロントに行って宿泊の予約をした。ツインの部屋がかろうじて1室だけ空いていたが、公営施設なのですごくリーズナブル。
チェックインは15時からなので、すぐ近くにあるおもちゃ博物館へ行くことにする。ホテルのフロントで割引券もくれた。
ホテルの前はJR石北本線が通っていて、ちょうど特急「大雪」が入ってきた。
おお、列車もいいねえ。乗り物全般大好き。
14:10 木のおもちゃワールド館「ちゃちゃワールド」、到着。りっぱな建物だ。
かなり本格的な施設でちょっとびっくり。
木製のおもちゃばかり、世界40ヵ国から集めたそうで、けっこう見ごたえがある。
たまたま私が気に入ったものだけ写真を。ドイツの作品が音楽のテーマが多くてよかった。この楽譜、ちゃんと「きよしこの夜」がごく小さく書かれている。
これも、ドイツの「天使のオーケストラ」。
人形も多くて、この女の子の表情がすばらしい。
この人形も、ドイツの女性作家の作品。「自分の子どもたちの顔を人形にして残したい」という思いで制作したとのこと。
ミニチュアものもたくさんあって、これは日本の作家さんのもの。
人形は、それぞれに魂が宿っているかのよう。
日本のからくり人形、茶運び人形。ライティングもきれいだ。
有名な影絵作家「藤城清治」の作品を集めた「コロボックル影絵美術館」もある。これは撮影禁止。とてもよかった。やっぱりなんでも本物を見るのはいい経験になるね。
2階吹き抜けから見下ろしたところ。いい空間だ。
子ども用の小さいサイズのハウス。木のおもちゃでおままごとができる。
子ども連れの家族が一組だけ来ていて、子どもが大喜びしていた。
じっさいに遊べる木製のおもちゃがいっぱい。ひと通り全部やってみた。
ぬくもりのある木のおもちゃを見たりさわったりしていると、妙な気分になってくる。
私にとって「おもちゃ」というのは「禁止事項」のひとつだったと、あらためて思い至った。母の生い立ちが不幸だったので、子どもは「楽しむ」ということを「してはいけないこと」と思い込んでしまった。だから、56才のいまでも、じっさいにおもちゃを目の前にすると、あ、コレで遊んではいけないという思いがとっさに湧いてくる。
でもまあ、それは昔々小さかったころの単なる思い込みで、もうオトナとして自由に遊んでかまわないわけで、そうか、そういう許可を自分に出していいんだと頷きながら、一種タブーを犯すような気もちもまじえて一所懸命遊んでみた。
コレってインナーチャイルドワークになっているな。インナーチャイルドとは「子どものころに傷ついた感情」のことで、自分のなかにそういう幼い子どもがいるんだと自覚して、「子どもの自分」をヨシヨシしてあげると、まあ、ちょっとオトナになれるらしい。
おみやげに、フルーツピックを買うことにした。いま、なくて困っているから。
いろいろあるなかから、いちばん細身のヤツを選ぶ。
16:25 生田原温泉ホテルノースキングに戻る。ツインの部屋はかなりゆったりしている。
デスクが大きくて便利。
部屋からの眺め。小さい丘が見えている。
デスクの引き出しには、なぜか「古事記」が入っていた。読んでみたいが、たぶんそんなヒマはないだろう。
1階に、日帰り入浴もできる温泉施設がある。
休憩所には、やっぱり木製おもちゃが展示してあった。
レストラン、夜になるとまたいっそういい雰囲気だ。
個室席に入りたかったけど、すでにいっぱいで、また窓際席に。平日でも人気があるなあ。
夕食は「ホタテとあさりときのこのスパゲティ」にした。そのうちホタテと心中するかもしれん。
脱衣所で聞こえてきた会話、「また寒くなった。本州は猛暑らしいね。ここにわけて欲しいわ」。そうだなあ、北海道にいるといまが夏ということを忘れてしまう。どこの施設もすぐに暖房を入れているから、建物のなかはあたたかいけどね。
さて、せっかく温泉に入り放題なので、今日のうちに3回入った。23:30就寝。