6:30起床。車内温度13.5度。北海道はもうすっかり秋で、朝の気温もかなり低い。
道の駅「らんこし・ふるさとの丘」は朝になっても駐車場にはだれもいなかった。国道5号線沿いの道の駅だが、もう9月だし市街からはなれた場所だし、そうなると車中泊するクルマはなくなるようだ。
まだ残っている石窯パン、ミニトマト、スティックコーヒーの朝食。
今日もどんより曇っている。
曇り空が似合いそうな廃駅へ。JR蕨岱(わらびたい)駅。
廃駅になったのは2017年3月だというのに、ホームはもう草に深々とおおわれている。
バス停は健在だが、
上り下りあわせて4本のみのダイヤ。
長万部まで南下してきて、そこのコンビニをのぞいたが、まだ商品は入っていないようだ。
内浦湾(噴火湾)沿いの国道付近は、あまり観光地がなくて、ただどんどん南下するのみ。
八雲町まで来た。八雲パーキングエリアにハイウェイオアシスがあり、観光施設が充実しているらしい。
まずは「ハーベスター・八雲」で昼食を。
もともとは実験農場として開場したそうで、
つぎつぎとお客さんが入ってきてとてもにぎわっていた。カフェテリア式で欲しい料理を選び、ドリンクはフリー。
フライドチキンが名物。それにフォカッチャ、サラダ、ミルクゼリー。
地震のあとなのに不自由なく食べられてうれしい。
しかし、この店も通常ならば午後6時までの営業だが、食材確保がむずかしくて午後3時で閉店するという。
限られたなかでもちゃんと食事を提供してもらえてありがたい。
さて、楽しみにしていた「噴火湾パノラマパーク」は休館だった。月曜日だからね。
そして、これもおもしろそうな「丘の駅」だが、
ここも月曜日は休館だ。
もう雨が降り出したので、どこか施設を見学したいと思っていたが、このあたり以外にある郷土資料館や木彫り熊資料館もぜんぶ休館だった。
しかたがないので、ハイウェイオアシスあたりをブラブラする。もう葉っぱが黄色くなってきたね。
だんだん本格的に降りだしたので、クルマにもどって南下する。最終的には函館へ行きたいんだ。
途中のコンビニで、あ、おにぎりが入荷している! 下のほうにあるのは、駅弁で有名な「いかめし」だ。
パンも入っている。すごいなあ。
きっとたいへんな努力をして商品を手配しているんだろう。関わっているひとたちが過労にならないことを祈る。
大沼に近いところにある「カルデラ濁川温泉保養センターふれあいの里」。
濁川カルデラは直径3kmしかなくて、もっとも小さなカルデラとして有名らしい。
海沿いをはなれて山奥にしばらく入り、急にポンと開けたところが濁川温泉で、ちょっと見ただけでは盆地のようだ。
施設はそぼくな昔風。
おやつは石窯パン。穀物の自然な甘みだけで、こういうパンを毎日食べたいなあ。
温泉はややにごってよく効きそうなお湯だった。
ここのゲームコーナーには、なぜか通路の真ん中に岩がむきだしだった。
たぶん増築したときに、岩をそのまま温存したのだと思うけれど、こんなのははじめて見た。
温泉を出て、ふたたび国道5号線を南下中のコンビニで、ここは飲み物が並んでいた。
少しずつ復旧が進んでいることを実感する。
そして、今日の車中泊地、道の駅「YOU・遊・もり」。
ここが「いかめし」で有名なところで、まだまだズラリとそろっている。
展望台があり、落書きだらけでちょっと荒れた雰囲気だったが、
駒ヶ岳がまぢかに見えてとてもいいながめだ。
国道の向かい側には、「オニウシこうえん」という花壇の文字。
オニウシとはアイヌ語で「樹木の生い茂ったところ」。
そのオニウシ公園は、道の駅のすぐそばにあり、
北海道らしく芝生が一面に惜しげなくひろがっている。
夕食は、道の駅で買った「いかめし」だ。
パックのいかめしをシンボウ強く15分あたためる。
いやあ、こういうめんどくさいことはめったにしない。
震災のおかげでいかめしを食べてみたくなったのだ。パックのいかめしは常温でも長いあいだ保存できる。
ふう、まるまる太ってはちきれそうなイカ、おいしそうだな。
イカのなかにはみっちりごはんが詰まっている。もち米も入っていてとても美味。思っていたよりもずっとおいしかった。
これで、私の記憶には「北海道地震といかめし」がセットになっておさまった。
いやね、きっとこのあたりのひとたちは「震災でも、そうだ、いかめしなら食べられる!」と考えて、コンビニに配送したんだろうね。
いかめしは、あたためなくてもそのまま食べられるそうだ。
そういうひとたちの思いも詰まっていて、いかめしはとてもおいしく食べられたよ。