今日から三日間は仕事に行かなくていい。シフト表を見ると、土日祝日もだれかがはいっているけど、私は新人だからはずしてくれたようだ。
ふう、休みはうれしいな。ひさしぶりに寝坊をしてのびのびだらだら過ごす。
まだ合計3回しか出勤していないのに、しんどい。週三日勤務でじゅうぶんだよ。なんか勤務日数をよく見ないで応募したが、週三でホントによかった。
ほとんど座ってできる仕事だから、体力使うわけでもなくて助かるけど、やっぱりまだしんどい。
慣れたらしんどくなくなるかな? まずさいしょの区切りは1ヵ月だろ? つぎは3ヵ月。そして半年、1年。最低でも1年たたないと慣れないだろうな。
1年っつったら長いよなあ。はあ。
でも、ベテランさんがほとんどだから安心している。みんな長くいてるってことは、きっと居心地や待遇のいい職場なんだと思うよ。
私が、この会社のまえに勤めていたトコロは、去年10月にまたハロワに求人を出していた。変わった職種なのですぐにわかった。そっか~、あのときの彼女、辞めることになったんだな。
私が半年で辞めて、後任の彼女も半年ちょっとで退職だ。私の前任も前々任も前々々任も数ヵ月で辞めたと聞いている。
私が入社したとき、前任のひとはすでにいなかったので引継ぎがなく、過去3人の前任者が残した資料をあれこれ推測しながらひとりで仕事をやった。
みなさんの苦労のあとがしのばれたが、みんなやり方がちがう。計算根拠もマチマチだ。しかしデータとして統一性を持たせるために、ぜんぶやりなおさないといけなかった。
いま振り返ると、やっぱりあそこの会社の仕事はむずかしすぎたのだ。パートのおばちゃんがやるには内容が高度すぎた。だから、みんなつぎつぎと辞めてしまうんだ。
でも、こんどのコールセンターの仕事はそこまで専門的ではない。かかってくる電話をしろうとが聞いても、なんのことかすぐにわかる。
まだ適切な回答をすぐに話せないけど、たぶん1年もすればまずまず慣れるんじゃないかと考えている。
で、つくづく思うけど、このぐらいがちょうどいいよねえ。
前の会社と、それとその前の会社も特殊すぎるところだったので、やれやれ、ようやくふつうのパートらしい仕事にありつけた。
けれども、モトはといえば、私が「高望み」をしていたのが原因なのだ。
過去ずっと、「仕事を生きがいにしないといけない。なんかスゴい仕事をして認められないとあかん」と思い込んでいて、そんな前提で職をさがしていたから、まちがいなくちゃんと「恐ろしく難易度の高い仕事」を引き寄せてしまっていた。
ところが、どの仕事も自分の手に負えなくて最終的にはケツを割ってしまった。
それにすっかり懲りて、こんどは「なんでもエエから、悩まずにできるカンタンな仕事にしよ」と思って、もう仕事に対してぜんぜん期待せんとぼーっとさがしてみたら、これまたちゃんと私のオーダーどおり、ラクチンな仕事が勝手に降ってわいてきた。
ああ、ホンマにね、私が変われば仕事も変わるんだね。そして「私が望んだとおり」の人生になっとるよね。
結局、いちばん大きなターニングポイントは、「私のライフワークが『山、放浪、クルマ、音楽』だ」ということをはっきり自覚できたときだった。
そのことをハラの底から納得できたので、ああ、じゃ仕事は二の次三の次で、淡々とできる軽い仕事でいいやと思えるようになった。
「仕事でだれかに認められたい」と思い込んでいたのは、やっぱり自分に自信がなかったからだった。
だれかに「スゴいねえ」とホメてもらうことで、自分が役に立つ存在だと思いたかったのだ。
でも、よくよく考えたら、私は働くことがキラいだった。長いあいだ気がつかず自分をゴマかしてきたけど、そもそもキラいな仕事でだれかに認めてもらおうとしていたこと自体が大まちがいだった。
そんなにキラいな仕事なんだから、テキトーでいいんだよ。出勤して机に座っているだけで上等。
周りがいいひとだと、ついまたがんばってしまいそうになるけど、ワシはそういうタマじゃねえんだから、いらんことせんでええ。
ホメことばを期待しない。積極的に怒られよう。使えんヤツやとののしられるのを楽しみにしとこう。
がんばるのは「好きなこと」だけにする。