今日、私は生まれ変わった

O先生のカウンセリングを受けてきた。
あまりにもどエラいことばかりが出現して、なにをどう書いたらいいのか収拾がつかない。

ええと、脳ミソをぜんぶ粉砕されちまったかのようだ。
そういうことになるんだな。

あるホテルのロビーで待ち合わせをして、予定ではそのホテルのラウンジでカウンセリングを受けるはずだったが、先生は私に会うなり、「お話が深くなりそうだから、お部屋にしましょう」と言われて、あっという間に、先生が泊まっておられるらしい一室に招かれた。

以前お会いしたのは、もう2年近くまえだというのに、先生は私のことをはっきり覚えてくれていた。
私はあらためて、自分が抱えている問題をすべて洗いざらい話した。

長年お世話になっているN先生に話せなかったことも、O先生にはぜんぶ言えた。
それはなぜかというと、O先生が音楽家だからという部分が大きい。一つ話せば十わかってもらえることが、非常に助かる。

ああ、生まれてはじめて自分のすべてをすみずみまでわかってもらえたねえ。
私の潜在意識はそのことを知っていたんだ。だからO先生に惹かれてならなかったんだ。

ピアニストB氏のことも話せた。例によって私は「あるピアニストがものすごく好きで、ウンヌンカンヌン」と言っていたが、先生は「え?だれ?そのひと? 教えて!」とちょっとはしゃぐかのように訊くので、私がしかたなく「〇〇〇〇〇です」と名まえを明かすと、「ああ、知ってますよ、そうなの、春子さんにはそんなふうに聴こえるのね」とにっこりした。

父のことも母のことも、あまさず話した。先生には、なにもかもわかってもらえた。そう思えてならなかった。

そののち、先生はふたつのセラピーを施してくれた。
結局、そのセラピーによって私は劇的に改変されたのだが、その具体的な内容はここに書けない。

それはやはり「秘すべきもの」なのである。
深い魂レベルでのやりとりは、おおやけにはできなくて、やっぱり自分の胸のうちにだけ大切に留めておきたい。

といっても、特別変わったセラピーというわけではないかもしれない。
しかし、私が言うのもおこがましいが、O先生が並外れた技量をお持ちのかたなので、ものすごいコトが生じてしまうのだなあと思う。

いや本当に空恐ろしい先生で、たとえば私の母が私に言ったことばを、寸分たがわず言い当ててしまったりする。そのときは驚愕のあまりカラダが震えてしまった。

そして、これから私がどうするか?については、「いいんじゃない、やったら? 春子さんに向いてるわよ」と先生はスパッと言い切った。
そうなんだ、この先生はホントにスパスパと決断があざやかなかたなんだけど、はあ、そんなにスポンと肯定されるとは思わなかった。

帰りはエレベーターまでいっしょに来てくれる。
先生は「明日はちょうど春分よ。生まれ変わるのよ。ああ、もう今日から生まれ変わってるわね」と言い、笑顔で見送ってくれた。

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