去年あるパートをクビになったハナシを、いつだったか知り合いのヒトに「いやあ、とうとうクビになっちゃって」とボヤいたら、そのヒト「向いてなかったんじゃない?」
ほおおお、「向いていない」かっ?!
そっかー、べつにワシに能力がないんじゃなくて「向いていない」のかあ。じゃあさ、その前のパートでしょっちゅう怒られてたのも「向いていない」からかあ。その前の前のパートで失敗ばっかりだったのも「向いていない」から。その前の前の前のパートも「向いていない」からダメだった。その前の前の前の前の……
いや、そ、そないにぜんぶあかんようになるのは、やっぱり本人にモンダイがあるんじゃねーのっ?!
しかし、友だちのKさんも「向いてないんじゃない?」といま言ってくれている。で、ハタと気づいたね。
「仕事できない」とグチをこぼすヤツに「向いていないからだよ」って言うヒトは、とってもやさしいヒトなんだよねえ。「ワシはこんなにダメなババアやねん」とクダ巻いとって、それだのに「向いていないだけだよ、あんたがダメなわけじゃない」ってなぐさめてくれるんだよね。
「向いていない」ってたいそうマイルドなコトバだ。このブログへのメッセージでも何度かそう言ってもらえた。みなさん、ホントありがとうね。
さて、今日もできるだけがんばって仕事した。ま、がんばっても「ザルで水汲んでるみたいに」アタマに残らない。ときどき「いま、なにをしようとしたか?」もわからなくなる。お店の留守電を解除して、そうしたことを忘れて、もう一回操作してまた留守電にして、まず怒られた。
ああ、すごいなあ。さっき解除したことをもう忘れてる! この手のミスをまき散らしながら仕事してるけど、もういつクビになっても当たり前か。
そしたら、昼過ぎぐらいに店長さんに手招きされた。
で、「まあ、がんばってるのはわかるわ」とコソッと言ってくれた。そして「まえにな、もっとヒドいおばちゃんもおったから」
そ、そうなんやっ! ワシよりヒドいおばはんってどんなんっ?! ワシ、無性にそのおばはんに会ってみたくなった。
店長「いまおるパートさんはみんなベテランやし、まあ急にはムリやろ。できへんってわかったら早めにほかのヒトに頼んでやってや」
ああ、店長さんはおとついワシを叱ったことを気にしてはるんや。そんなキツくは言われなかったけど、ワシが悩んでいるんじゃないかと思って声をかけてくれたのだ。ええヒトやのう。
せっかくハナシができる機会だし、ワシは仕事についていくつか質問した。先輩さんによってやり方がちがってわかりにくい仕事のことだ。
店長さんはていねいに教えてくれた。そして「まだそうやって覚えようとしてるだけマシやと思てるよ」と言ってくれた。
お店へ戻って持ち場についてから、ちょっとホッとした。手招きされると、ああまたクビかと思ってしまったが、ふう、もうしばらく様子を見てもらえそうだ。
仕事の「向き、不向き」っていったいなんだろう?
どんな仕事であれ、たとえば「開店前に留守電を解除する」ということぐらい、毎日ちゃんとできないといけないんじゃないだろうか? 「この書類をだれそれに渡して」と言われたら、そのとおりにできないとダメじゃないか?
「向き、不向き」どころじゃなくて、その前にこの「もの忘れのヒドさ」のほうがヤバいんじゃねーの?
やっぱり昨年受診した精神病院へ行って、「どないしてくれるんじゃ、ワレっ!」っつってひと暴れしたいのう。