カウンセラー養成講座でもある「ビリーフリセット・リーダーズ講座」を受講しはじめて3ヵ月が過ぎた。この講座は、かならずしもカウンセラーをめざすのが目的ではなく、「自己探求」のために受講してもかまわない。
「自己探求」ねえ。自分では自己探求なんてやろうと思っていないのに、なぜか勝手に「自分の本性」がだんだん見えてきた。
たぶん、私が「いちばんやりたいこと」は、「なんにもしないこと」かもしれない。
なんかねえ、自分にとって究極のパラダイスは「働かないでぶらぶらすること」なんだよね。1年365日ぜんぶ休みだといいなあと思う。てか、毎月20万円ぐらいどこかから自動的にもらえるんだったら、すべての問題が消失するような気がする。
で、ちょっとゲンナリしたのだが、もし働かないで悠々暮らせる身分だったら、ピアノ弾くかなあ?って思った。なにせピアノって毎日練習しないといけないからね。2~3日弾かないだけでもズルズルッと後退するでしょ? 下りエスカレーターに乗っかってるみたいなもんで、最低限の練習をやらないとどんどんズリ下がっていく。現状維持だけでもタイヘン。
そういう手間ヒマかかるものがあると、長期放浪に行けないんだよね。そう、もし大金があったら、夏はやっぱり北海道で暮らしたい。大型キャンピングカーがいいな。でも、ピアノが困る。しょうがないから、まあアップライトピアノをキャンピングカーに積んで、ああ狭くなるなあ、けどデジピはイヤだし。
さらに、レッスンを受けられないのもマズい。少なくとも2週間に1度は軌道修正してもらわないと、あさっての方向に飛んで行ってしまう。
つまり、ピアノをやっているかぎり、北海道放浪はもう二度と行けないことになる。去年春にピアノをはじめたときはぜんっぜん考えていなかったが、「ピアノおよび北海道放浪」というのは成立しないのだ。
これ、けっこうコタえるね。それほどに「なんにもしないで北海道をぶらぶら」したいんだよね。あ、重症の「沖縄病」のヒトもいるみたいだけど。カウンセラーN先生家族が発症している。放浪癖のあるヒトは「夏は北海道、冬は沖縄」というのが定番だが、ああ沖縄も不可能だ。人生は意外にみじかい。
すると、私にとって「ピアノを弾くこと」は、もしかしたら「鎮痛剤」かもしれない。いわば「ゴマカシ」かもしれん。
ホントのホントは「なんにもしないでぶらぶらしたい」というのが願いなのに、それが叶わなくてつらいから、その痛みをゴマかすために「ピアノという刺激物」でまぎらわしているのかもしれない。
はあああ、自分を深掘りするとイヤなモンが出てくるねえ。
ん? でも「イヤ」なんて思わなくてもいいか。それが自分なんだからしょうがない。もっと純粋(?)な気もちで音楽が好きなヒトもいるだろうけど、私はそうじゃない。ピアノを「鎮痛剤」代わりにしている。
しかし、この鎮痛剤、かなり強力な効き目がある。
こないだレッスンのとき、先生がこう言われた。「わりと早めにシンフォニア卒業できそうね。でもすぐに平均律は厳しいね。ちょっとフランス組曲とか、楽しいバッハを数曲やりましょうか」
ふ、ふ、フランス組曲ぅぅぅ~っ?! そ、そ、それだったら北海道と交換してもいいかもっ! あと、イギリス組曲もぜひっ! ほんとはフランス組曲、イギリス組曲ぜんぶやりたいっ! どうせいつまでたっても学費貯まんないし、そのあと延々平均律やってたら、たぶん寿命が尽きると思う。あ、パルティータも追加で。
ま、それでもいいかもね。「バッハと北海道、どっちがいい?」って訊かれたら、ちょっと迷ってもいいよ。