「ひとに言えないこと」からあぶり出されたモノ|堀江さなえさん「ビリーフリセット&エンパワメント・セッション」その3

「『怒る』ってどんなことですか?」と私は、Zoom画面の堀江さなえさんに尋ねた。自分でも、なんちゅー愚問やねんと思いながら。でも、わからないのだ。「母に対して怒る」というのがどんなことかわからない。

さえさん(堀江さなえさん)は「春子ちゃん、10月に対面セッションに来たときも、お母さんに対して怒れなかったよね。ものすごく遠慮してたよね」と言われた。

そうだった。あのときは、さえさんのセッションルームでエンプティチェアのワークを長時間してもらった。「4才の私」と「33才の母」のふたつのイスを置いた。「4才の私」のイスに座って「33才の母」を見ていると、母が烈火のごとく怒りつづけていた。

でも、なんの感情も湧かなかった。さえさん「こんな目に遭っていて、どんな気もちですか?」
私はぼんやり答えた。「わかりません。たぶん『怖い』はずですよね。でもそれがわからない。『怖い』と思えない」


なんにも感じないから、母に対して「怒る」こともできない。だってそうでしょ? 「原因を感じない」のに怒れないでしょ?

その対面セッションから2ヵ月後のいまも、やっぱり「母に、どんなふうに怒ったらいいのか?」がわからない。

私「母に、ほんとに怒ったらどんなふうになるんですか?」
さえさん「このクソババア!ってなるよ」
「ふうん」
「あのね、殺したいと思うくらいだよ」

殺したい……って、え? そんなに思うってどういうこと? 私はこれまでだれかに死んでほしいと思ったことはないよ。しかも親になんて。


と、Zoomセッションではぼやーっと考えていたけど、その「殺したい」がそれこそキラーワードだった。そして、さえさんが提案した「刺す」ということばも鍵だった。

私は、殴りたくはなかった。そんなの、私が痛いだけだよ。相手はたいしたことないよ。そうじゃない。もっと確実に息の根を止める方法がいい。それには刃物がいい。確実に狙いすませば必ず目標を達成できる。

そうしたら、ふいに「死体」が好きなことを思い出したのだ。それに「拷問」も好きだ。

死体の写真は小学3年生のときから好きだった。当時「少年朝日年鑑」という本が学校で副読本として指定されていて、その年鑑にはベトナム戦争での死体写真がたくさん掲載されていた。それを見るのがおもしろかった。


兵士がズタボロの遺体を持ち上げて笑っているかのような写真もあった。私は父に見せて「ほら、笑っているよ」と言ったら、「ちゃうよ。重いからや。重たいからそんな顔になるんや」と父らしい冷静な返事が返ってきた。私はがっかりした。

私の死体好きはずっと変わらなかったが、それはひとに話してはいけないと思っていた。「死体を見るのが好きなんです」とだれかれかまわず言ってはいけないような気がした。

その「ひとに話せないこと」というのは「ココロのアンダーグラウンド」なのだと、根本裕幸さんに教わった。→ココロのアンダーグラウンド(1/3)~表社会では処理し切れない、行き場のない思いがたどり着く場所~

根本さんの「ココロのアンダーグラウンド」に関するセミナーにも行った。何年前だったかなあ。でも質問しそこねたんだよね。「グロ嗜好はどうなんでしょう?」って訊きたかったのにできなかった。やっぱり罪悪感が強すぎたか。


しかし、だ。今回さえさんのキラーワードによって、一挙に全貌があきらかになった。

ああ、そうだ。「死体」になってほしいひとがおったやんけ。そういうことやん。拷問したろうか思うひとがおったやん。

へええ、小学3年のときから「死んでくれ」って思ってたんや。なるほど。

もしくは、それは投影であって、「私が死にたい」と感じていたかもしれない。


いずれにしても、すべては「私の内側」で生じていることで、私の中では「死体をめぐる祭り」がいまもまだずーっとつづいているのだった。

そんなに「死」に興味があるの?

そうだね、だからよろこんで解剖補助のパートに行って、今日はどんな遺体が来るかなあって楽しみにしていたんだよ。

でも、それは「他人の遺体」じゃなかった。あれは「私の遺体」だ。私は「自分が遺体になるかならないか」でずっともめてたんだ。

そりゃね、だからね、ひとにやさしくしてもらっても「それどころじゃねえっ!」って発砲するんだよね。
そうか、やっとわかったよ。そういうことだったんだ。

しあわせの源泉がもうひとつ増えた|堀江さなえさん「ビリーフリセット&エンパワメント・セッション」その4はこちら

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