だいたい私は「なにかをぐずぐず悩む」ということがめったにない。思い立ったらすぐ走り出してしまうし、とちゅうで止めるときも、そうと決めたらパッタリすぐに止める。
はじめたら、はじめる前になにをやっていたのか忘れるし、止めたら止めたで、止める前になにやってたかを忘れる。
だが、「仕事」に関しては40年も悩んでいたから、こいつは例外だ。18才のときからダラダラずっと悩みつづけて、数年前からカウンセリングにも行くはセミナーにも行くは、去年はとうとう「ビリーフリセット・リーダーズ講座」まで受講して、その自主トレ(カウンセリングの練習)で毎回「働きたくねー」とウダウダ文句を垂れつづけた。
でもさ、こないだパートは辞めたんだ。ラインでちょろっと連絡しただけで辞めた。
なので、40年間の悩みがついに終結したわけだ。ほんの数分で。
ようやく無罪放免だ。晴れて自由の身となりシャバを闊歩できる。いまから死ぬまでぞんぶんにブラブラできる。
だのに、懲役くらってたころの記憶がもう失われている。無期懲役かよっ?!っつーほど苦しんでいたのに、げっ、もう忘れとる。ほんま、べつにありがたくもなんともないし、いまが格別うれしいわけでもない。
同様に、音大進学をやめたことも、すでに「なんかありましたっけ?」程度の痕跡になっている。自分で「やめる」と決めたら即決定でおしまいだ。そういえば前々回のレッスンで、先生が音大についてお話してくださったのに、申し訳ない。
しかし、私は決めてしまったら、その事項については「処理済み」だ。さようなら。
結局、「もう働かなくていいこと」も「見栄を張りたかったから音大に行きたかったこと」も、もはやぜんぶ「過去」であり、関係なくなってしまった。
で、「これからどうするか?」ってことが肝心でねえ。
まずバッハだな。
いずれ近々に「バッハだけ勉強したいです」と先生におねがいしよう。
かつ、これまでやったバッハの曲の復習も開始する。インベンション、シンフォニア、フランス組曲第5番、第6番を少しずつやり直そう。もっとちゃんと弾けるようにしたい。
今日シンフォニアをちょろちょろ弾いてみたところ、課題として出されていたとき、鬼のように弾いていた曲はややマシだが、そんなにやっていなかった曲はやっぱりぜんぜん弾けなかった。またしても、その曲をどれほど練習したか?がくっきり反映されている。
そこらへん、気が済むまでやり直してすっきりしたい。すっきりしつつ、将来どうなるかわからんが、フランス組曲ぜんぶとか、平均律とか、あと畏れ多くてココに書けないようなヤツとか、弾けるかぎり弾いてみたい。まあ、そんなにやれないと思うが。
ピアノは以上。
それから、ハイキング再開だな。
もう「登山」とかはムリっす。ヒザが痛くて、マンションの階段も難儀しててね。だから、まずは平地でリハビリ。さいしょは河川敷をめざす。そこまで歩けるようになったら、上流下流に沿って歩く道はなんぼでもある。
で、いつかは二上山(にじょうざん/標高517m)だな。ババアに手ごろな目標だ。1年後には実現するかもしれない。
二上山をひょいひょい登れるようになったら、金剛山もいけるかもしれん。金剛山をがしがしいけたら、白山(はくさん/2,702 m)とか北アルプスもわりと標的に入ってくる。あ、登山じゃん。
二上山ってブルクミュラー25ぐらいかね。金剛山はツェルニー30番だな。北アルプスはいろいろだけど、たぶんモーツァルトソナタあたり。南アルプスはベートーベンソナタだ。
以前からよく思っていたが、ショパンエチュードって、ありゃあ海外登山みたいな気がする。アレばんばんいけるってのは、やっぱり別格というか、ごく一部のひとみたいだ。
まあ、ピアノも山もそこまでがんばらんでもじゅうぶん楽しめる。音の数が多いほうがええとか、高いほうがええとか、そげなことはなくて。
なんの話やった?
そうそう、リハビリ。
それプラス、温泉とか車中泊旅行もね。
なんかどれもこれもむかしの焼き直しばっかりだから、とちゅうどこかで新規開拓も図ってみよう。
先日59才になった。
弾いたり登ったり浸かったり泊まったりしているうちに、すぐ70才になりそうだ。
でも、これだけやっといたら後悔しないと思う。