つねに汚部屋ができあがる理由

引っ越したらなんとかなるかと思っていたのに、また汚部屋ができあがってしまった。

私はなぜ片づけができないのか?

ひとつには、モノを大事にできないからだろう。買うときは、ネットで丹念に探しまくるのに、ウチに届いてしまうと興味がうせる。部屋のあちこちに段ボールが散乱していて、まだ開封していないヤツもあるね。

ということは、探して吟味しているときがすごく楽しくて、そこからあとはいらねーんだな。


パートをやめて毎日ぶらぶらしているから、ついネットばかりのぞいて、これまたアレが欲しいコレが欲しいと欲望が炸裂する。

ここしばらく「食器棚」病を発症して、新品もヤフオク!も何百個も見て、ずいぶん食器棚にくわしくなった。持ってないんすよ、食器棚。

もともとインテリアが好きだから、家具の実物も以前かなり見て回ったし、そうすると高いヤツばっかり欲しくなるのう。けど、家具ならばヨーロッパのアンティークにすこぶるいいのがある。ヤフオク!とか楽しすぎ。

しかしよく考えると、いや、べつに食器棚買うほど食器持ってないし場所取るし、やっぱりいらんよな。相当見たのでけっこう飽和状態になりあきらめがついた。


なにを買っても大切にしないし、そうたいして使わない。生活必需品はそろっているから買わないように制御する。

よく思うんだけど、ネットでさ、「購入する」とかのボタンを押す前に警告が出るといいんだけどね。「ちょっと待て。ほんま必要か?」みたいな画面が何度も出るとか、そういうしかけってあるといいな。

結局、買ったもののうちいっちゃんよく使っているのは、グランドピアノと電子ピアノのみだ。まあ、パソコンは丸一日つけっぱなしになっているから、もっとも使用頻度が高いブツだけど、能動的に使用して役立っている?のはピアノだけじゃん。

でも、ピアノもちっとも大切にしていない。ウチにあるのが当たり前になってしまって、ただ練習するための道具に成り果てている。


これはもうどうしようもない。私の性根がこういう按配になっていて、モノに対して愛着とかぜんぜん湧かないのである。

まあ、例外はカーテンかね。ウィリアムモリスが好きなのだが、旧居をリフォームしたとき、念のためショールームで3,000枚ほど見て、そのなかから選んだ1枚だ。モリスのハニーサックルね。

いまの賃貸マンションに寸法は合わないけど、引っ越しのとき持って来てそのまま吊ってある。

これもね、いまではけっこう当たり前になっているか。好きは好きなんだけど、選んだときの感動はもうとっくにない。モノの感動はすぐさまなくなっていく。


そう、感動していたいねえ。いつも新鮮な感動が欲しい。

ってのを基準に考えると、「楽器の練習」というのは、その感動にほんのわずかでも近づきたくてやっているもんだと気がついた。

そうか、私はものすごく「感動したい」人間であり、どういうわけか「きれいな音」がうまく出ると感動するんだなあ。なるほど。

ちなみに、音楽はあんまり聞かない。このごろCDめんどくさくてYouTubeでちょちょっと参考に聞く程度。


もっとめんどくさそうなのに、自分でわざわざピアノ弾くのがおもろいねん。

そういえば、「同じ動作の繰り返し」というのも好きな要素である。だから山に登るのも楽しかった。

それでようやくわかったが、「片付け」なんて音も関係ないし一個ずつ悩まないといけないし、そりゃおもろないわ、だから汚部屋なんだと納得した。

まあいいや、ピアノにたどりつけるように獣道だけ作っておいて、練習さえできたらそれでええわ。

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