自分にとって「買い物」とはなんだろう?
こないだ「1000個捨てチャレンジ」をやって、1000個以上のモノを捨てた。
そのほとんどが、おカネを出して買ったモノだった。
「モノを買う」ということは、けっこうめんどくさい。
私はネットショッピングでも、パッとモノを見つけて、そのままポチることは、まずない。
アマゾンで見つけたら、楽天市場も見てみる。
電化製品だったら、価格ドットコムも見るしヨドバシカメラものぞく。
私は、すこぶるケチだから、送料もふくめていっちゃん安いサイトで購入したい。
よし、ここで買おうと決めても、いや待て、どこかのポイントサイトを経由できないかと、「ポイントサイト横断検索」も調べる。
ポイントサイト経由だと、ポイントを二重取りができるからだ。
または、A8.netで「セルフバック」(A8.net経由で購入すると、あとで現金をもらえる場合あり)があるかも調べてみる。
「ポイントサイトまたはA8.net経由」にするならば、パソコンのクッキーを無効にしないといけない。
Googleクロームのシークレットモード(Shift+Ctrl+N)をわざわざ開いて、ポイントサイトまたはA8.net → 販売店 → 商品名検索 → 購入手続きとなる。
シークレットモードならば、検索履歴などが無効になっているので、「ポイントサイトまたはA8.net」に、そこを経由して購入したことが反映される。
ふつう、こんなんせえへんか。
私は以前、ポイ活をやっていたから、だいたいこんな手順になりよります。
まあ、リアル店舗を探し歩いていたむかしに比べれば、ちっとも手間じゃないけど、なにかひとつ買うのに1時間以上かかったりする。
そして、「ちょっとでも安く、ちょっとでもポイントをたくさん」が、目的になってしまったりする。
だから、これまで買い物のために何十時間何百時間も費やしているはずだ。
しかし、届いた商品のうち、ちゃんと使っているモノはほんのわずか。
「使用時間」を目安にしたら、1位:照明器具、2位:パソコン、3位:ベッド、4位:ピアノぐらいかね。
まあ、冷蔵庫・時計とかは年中動いているが、しかし、持ち物の95%ぐらいは、ごくわずかの時間しか使わない。
なので、大半の買い物は「使うため」に買っていなかった。
なんというか、そういう買い物は「なぐさみ」だったんだと思う。
「気晴らし」でもある。
「ポイント」や「送料無料」も、なぐさみの一種だ。
いったいどうして、そんなに「なぐさみ」や「気晴らし」が欲しかったのか?
それはたぶん、心に空いた「穴」を埋めたかったからだ。
その「穴」があると、どうもちゃんと生きている手ごたえが薄いのだ。
こんなハズじゃなかった。
もっと満たされているハズだった。
もっと生き生きできるハズだった。
「いまの自分」は、なんかちがう。
そういう「空虚でもどかしい思い」があると、手近にある「なにかを取り込もうとする」。
でも、「なにか」をとりあえず「穴」に放り込んでみても、埋まりませんなあ。
穴、深すぎ。
たぶん、永遠に埋まらない。
てか、その穴、別のどこかに通じてる「怪しいケモノ道みたいなもの」だから、それ、「埋めるもの」じゃないかも。
なので、その「穴埋め」をやるんじゃない。
「穴」ばっかり見下ろしているんじゃなくて、後ろを振り向いてみるんだな。
振り向いてみたら、ピアノがあったのよ。
そしたらね、いま思い返すと、そのピアノを引きずってさあ、「穴」に入れようとしていたねえ、私。
そりゃあ、そんなことやってたら、手も痛くなるわなあ。
で、世の中、せっせと「穴埋め作業」にかまけているのは、一部のひとたちなわけで。
そして、ピアノを弾くのも、穴なんか関係なく、「ごく自然な発露」として、やむにやまれずピアノを弾くひともいるわけで。
そういうかたのお話を聞きつづけていたら、ああ、ピアノって穴埋めに使う道具じゃなかったんだ、ってようやくわかったんだよ。
ほんと、急に。
ぱちぱちぱちっと、いきなりつながってきた。
ようやっと、穴なんか考えずに、「ピアノの弦を鳴らしてみよう」と思って練習していったら、先生が「音が変わりましたね」とおっしゃる。
ああそうか。
こんなふうに弾くのが、「穴埋め」じゃないんだな。
なるほど。
じゃあ、もうこれから私は「穴埋め工事」なんかやらなくていいんだな。
もう「なぐさみ」や「気晴らし」のために、モノを買わなくていいんだな。
「穴」のことは忘れて、こっち向いて、ピアノを響かせることに専念していたらいいんだな。