私が住んでいる町は、ほぼ全域、都市ガスがない。
ガスはプロパンガスを利用するか、または電化だ。
ウチのマンションは、築四十数年とかなり古い。
それなのに、建築当初から電気温水器を利用しており、お湯は、各部屋に備え付けられた電気温水器からの給湯だ。
私は、賃貸マンションで電気温水器を使うのは、はじめてだった。
使ってみたら、あ、いいねえ。
ガス湯沸かし器とちがって、すぐに熱湯が出る。温まるまで待たなくていい。
チョロチョロ少しだけのお湯もOK。
電気代全体も、ガスよりちょっと安くて済む。
あ、いいじゃんいいじゃんと、快適に使っていたのだが、去年12月から調子が悪くなった。
この温水器は、安価な深夜電力を利用して、夜間帯にお湯を沸かし、それを温水タンクに貯めるしくみ。
昼間に大量のお湯を使ったとしたら、「湯切れ」といって、お湯が足りなくなる場合がある。
といっても、私はたまにシャワーを浴びるていどなので、これまでまったく湯切れなんて起こらなかった。
てか、いちど沸いたお湯で、丸2日間とかじゅうぶんイケるので、一日おきに電源を入れたりしていたのだ。
ところが、昨年12月、その「ふつかめのお湯」が、夕方ぐらいから「水」になってしまった。
ありゃ、気温が下がっているからかなあと思い、その後はずっと電源を入れて、通常の「毎日沸かす」設定に戻した。
しかし、今月14日、シャワーを浴びている最中、急にお湯が出なくなったのだ。
ちょうど髪を洗い終わったあとだったので、もう身体を洗うのは中止して、さっさと上がった。
ヤバいよな。
こんなに寒いのに、水シャワーかよっ?!
その後様子を見ていたが、連続15分ぐらいお湯を出すと、あとはもう「水」になりよるねん。
ちょっとキゲン悪くなった。いや、だいぶんハラ立つわ。
でも、怒ったからといって、電気温水器は直りそうもないので、不動産屋さんにメールを出した。
不動産屋さんは、すぐに業者を手配してくれて、今日午後、水道屋さんが来てくれた。
水道屋さん、お湯が出なくなる症状は、そんなにくわしく訊かないで、すぐに電気温水器を見に行った。
「ああ、これは古いなあ、2006年かあ」
おう、16年も使ったヤツか。
私は内心、ふふ、新機種に交換になったら、もっと省エネになるかなあと期待した。
水道屋さん「メーカーに部品なかったら、交換になりますけど、いまねえ、コレがないんですわ」
そう言って、水道屋さんは電気温水器のタンクをパンパンと叩いた。
「コロナで、ぜんぜんないんですわ、ほんまに。
湯沸かし器もぜんぶなくて、故障してるひと、みんな銭湯行ってはります」
はああ、そないな影響があるんやねえ……
でもぉ、いまの季節、お湯が使えないなんて!
銭湯通いもタイヘンだが、顔洗うのも洗いものもぜんぶ水って、そんな殺生な。
とはいえ、実家で湯沸かし器を使えるようになったのは、小学5年生のときだった。
むかしは、水しか出ないのが当たり前だったよな。
水道屋さん「明日メーカーに問い合わせて、また結果を電話します」とのこと。
あとでネットで調べたら、うわっ、「交換は2~3ヵ月待ち」。
東南アジアのロックダウンが原因らしい。
おいおい~、頼むから、しばらくちょっとでも沸かしてくれよ、電気温水器!
いまのところ、1日合計20分ぐらいはイケる。
シャワーは、1日目→洗髪、2日目→身体というふうに、分ければだいじょうぶ。
めんどくさいけど。
恐ろしくて、風呂桶に貯めるなんてできねーよ。
いよいよダメになったら、ほんま銭湯やな。
まあ、クルマで30分のとこに銭湯おます。
それにしても、賃貸住まいだと、こういう設備交換は大家さんの負担ですごく助かるな。
旧居が持ちマンションで、その中古マンションを購入するとき、ガス給湯器は、以前から付いているものをそのまま使っていた。
で、6年間住んで、それ、べつに壊れずに、マンションを売った。
だから、お湯のことなんか、なにも考えずに生きてきたけど、ああそうか、もしかしたら交換か。
それ、交換したら、あとは「健康寿命75歳」まで使えるな、たぶん。