私がもっとも得意なのは「野宿」だから

「野宿、おい、楽しいぜ」という文字と、「テント」のイラスト 音楽

やりたいことはたくさんある。

山登りはいまも好きだし、車中泊放浪だっていつでもやりたい。

北海道、変わらず好き。

小説も朗読(アマゾンオーディブル)で聴きたい。

映画も見てみたい。

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先月、治験の帰り、隣県へ向かう列車を見かけたとき、ふうっと魂が抜けそうになった。

まだ行ったことのない駅を、ひとつずつ訪ねてみたくなったのだ。

一駅ごとに降りて、周辺をぶらぶらして、また列車に乗って、つぎの駅で降りて、ぶらぶら、また乗って。

そういうのもやってみたかったな。

これまで、いろんな場所で野宿をしてきたが、そういえば「駅寝」をしていない。

無人駅で寝るってヤツ。

貧乏旅ではポピュラーなスタイルだが、ついに体験することがなかった。

ちなみに、バス停で寝るのはやったことある。




たぶん、私がいっちゃん得意なのは「野宿」だと思う。

これまで200泊ぐらいはやってるな、野宿。

慣れてるよ。

「慣れてる」って言えるの、野宿だけだな。

パートはことごとく慣れなかったし、ほかにもなんか「得意」といえるモノはぜんぜんなくて。

ピアノ、2年10ヵ月やっても、ぜんぜん慣れないよう。

野宿のほうが慣れてるわ。

だれかに「林道の終点で野宿したいけど、どうしたらいい?」って訊かれたら、すぐに教えられる自信あるよ。

だれも訊いてくんないけど。




けれども、「得意なモノ」ってけっこうすでに「飽和状態」なんだよね。

野宿も車中泊も得意で、つまりヘンなところで寝るのが好きなんだが、だれかに説明できるほどのモノは、もう「やり尽くした感」がある。

「勝手知ったるなんとか」になっていて、まあ、好きだからやってみてもいいけど、それよりも「未知のモノ」のほうがそそられる。

それが「ピアノ」で、これがもう、予想外に突飛なおもしろいモンがつぎつぎ出てくるから、う~ん、止まらなくなった。

いまハマッているのは「ちっせえ音」出す練習。

なんでこんなのにハマッてんのか、さっぱりわからんが、はは、まったく未開拓だったからおもろいのよ。

まあ、音楽だから、方向は「うつくしく」なんだけど、私の場合、へえ、どれどれ?って好奇心がつのるなあ。

林道終点で寝るのはさんざんやったから、こんどは畑で寝てみようか、みたいなのと似てる。




いまやってる「ちっせえ音」も、「ステーションビバーク(=駅寝)はじめました」みたいに新鮮。

そうそう、あんまりしかつめらしく演奏するとか、それは自分に合わないかも。

私が得意なのは「野宿」なんだから、野宿生活者らしい弾きかたでいいんだよ。

野宿の楽しみというのは、「わはは、こんなとこで寝ていいんだ」という禁を破る楽しさかねえ。

朝起きて、のんびり朝メシ食って、テントをたたむ楽しさかねえ。

衣食住ぜんぶ背負って、どこでも移動できる自由さかねえ。

それをこんどは、ピアノでやってみたいのう。

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