トシを取ると、いろいろ「短くなるモノ」がある。
まず身長。すでに、2cm短くなっている。
むかしは156cmだったのに、直近の健康診断だかなんだかで計ってもらったら、154cmだよ。
ついで、指も短くなった。
ちょっとずつ縮んできて、3ヵ月前から、オクターブが届かなくなった。
けれども、先生が「オクターブは、抜きで弾いてかまいませんよ」とおっしゃる。
左手、黒鍵のオクターブはかろうじて引っかかるが、基本、両手とも「オクターブ抜き」は、すっごくラクチン。
なんや、オクターブ届かせようと必死にならんで、よかったんや。
オクターブ弾かないで、パート辞めて、年金待つだけの身になったら、人生の悩みの98%は消滅した。
残り2%はなにか?というと、来年1月の発表会で、コケないようにってことね。
レッスン日 | 平均練習時間/日 |
---|---|
2021/10/12(火) | 1時間09分 |
2021/10/19(火) | 0時間51分 |
2021/10/26(火) | 0時間52分 |
2021/11/02(火) | 0時間59分 |
7分だけ増えているw
ハノン
ハノン40番の一部│1回目のレッスン
手に負担がかからないので、今回から半音階の練習。まずはオクターブで。
そして、「半音階の弾きかた」をくわしく教えていただく。
いまの先生に習いはじめてから、「スケールの弾きかた」「アルペジオの弾きかた」という風に、「〇〇の弾きかた」というのを、ご指導いただいている。
でもねえ、子どものときに習っていた先生がたは、どなたも「弾きかた」というのは、教えてくれなかったなあ。
ロ長調スケール│合格
1度弾いたあと、「こんどは、もっと『かわいく』弾いてみましょう」とのご指示。
先生「子猫や子犬を見たときのような、そのままの気もちで」
よし、かわいく弾こう。明るくて軽めの音で弾く。
先生「いま、音、かわいくなりましたね。
では、もうひとつ、『すみれ』のような音をやりましょう」
すみれ?
「『すみれ』は、モーツァルトの歌曲にありますよね」と先生は言われて、さいしょのところを、ドイツ語でふんわりと歌われた。
「『すみれ』というのは、ヨーロッパでは『哀れさ、健気さ』といったイメージがあるんですよ」
そして先生は、スマホをご覧になって、その「すみれ」の詩を朗読してくださった。
身をかがめて、気付かれずに
それはかわいらしいすみれだった
そこに若い羊飼いの娘がやって来た
軽やかな足どりと、朗らかな心で
そこから そこから(こちらへ)
牧場をこちらへと歌った
自然の中で最も美しい花だったら
ああ、少しの間だけでも
愛しい人(娘)に摘み取られて
胸に押しあてられて、ぐったりとなるのに
ああ、たった、ああ たった
15分間だけでも
そのすみれに注意も払わずに
かわいそうなすみれを踏みつけてしまった
それ(すみれ)は垂れ下がり、死んでしまったが、それでも喜んでいた
彼女によって、彼女によって
彼女の足元で(死ねるのだから)!
出典 「Das Veilchen(すみれ)」の解説(歌詞・意味)~モーツァルト~│MusicaClassica
先生「ヨーロッパでは、『すみれ』といえば、必ずこういう感じなんですよ。
そんなイメージで、弾いてみましょう」
先生が、詩を読んでおられるとき、私は、なんとも言えない気もちになったなあ。
「すみれ」の詩は、ちょっと知っていたけど、最後で「すみれが、喜んでいた」のは、まったく覚えがなくて。
すみれは、自分の存在さえも知られず、踏みつけられて死んでしまう。
それでも、愛しい人にあやめられるのなら、それでいいと、喜んでいたなんて。
なんだか、納得できない悄然とした気もちで、ロ長調スケールを弾いた。
弾き終わったら、先生は「いいですね」と笑って、合格にしてくださった。
いま使っている楽譜 ハノンピアノ教本 全音ピアノライブラリー
バッハ:フランス組曲第3番 サラバンド│1回目のレッスン
前回のレッスンのとき、「発表会の曲を決めましょう」というお話だった。
決定している1曲│モーツァルト:ピアノ・ソナタ第4番K.282 第1楽章 変ホ長調
もう1曲│バッハ:フランス組曲のなかから選ぶ。↓候補の3曲。
バッハから選べるので、すっごく楽しく悩んだ。
「第2番 メヌエット」は、音を出すだけなら、そんなにむずかしくない。
「第3番 サラバンド」、もともとサラバンドは荘重な舞曲で、「らしく」弾くのがむずかしい。
でも私は、サラバンドそのものが、好きなんだよねえ。
「第3番 アングレーズ」は、ややテンポが速いし、三声のところがむずかしい。
無難なのは「第2番 メヌエット」。
だから、はじめはメヌエットに決めかけていたが、やっぱりサラバンドの誘惑に負けて、サラバンドにしてしまった。
先生「発表会のバッハ、どうされますか?」
私「はい、第3番 サラバンドを練習してみました。お聴きいただいて、もしよろしければ……」
▼バッハ:フランス組曲第3番 サラバンド
ヨタヨタ弾き終えたら、先生「手に負担はかかりませんか?」
「あ、はい、だいじょうぶです」
「だったら、これにしましょう」
おおっ! やったあ~、OKになっちゃったよう! うれしいなあ。
先生「この曲はいつも、尼寺のイメージが浮かぶんです。
修道院で、尼僧のひとが、しずしずと歩いているような感じがします」
ああ、たしかに、そうだねえ。
観想の日々を、静かに送っているひとのようだねえ。
北海道放浪のときに行った、トラピスチヌ修道院を思い出したよ。
バッハ:フランス組曲第4番 メヌエット│合格(1回レッスン後)
▼フランス組曲第4番 メヌエット
なかなかウマく弾けない。
「ウマく」というのは、メヌエットらしい軽快さね。
なんだけど、先生が「もうちょっと、こんな風に」と、優雅なお手本演奏をされて、それを間近で見ていると、だんだん呼吸がつかめてくる。
3回目弾いたとき、自分でも「あ、たまたまウマくいってる、いってる、最後までコレで行け~」とドキドキしながら、なんとか最後までたどり着いた。
先生「はい、よかったです」と、合格にしてくださった。
いま使っている楽譜 春秋社版 バッハ集 3
モーツァルト:ピアノ・ソナタ第4番K.282 第1楽章 変ホ長調│4回目のレッスン
これ、発表会の曲ね。
▼9~10小節の左手。いつも、必ず、決まって、よろしくない。
どんなに弾きにくい箇所でも、先生が、微に入り細をうがって説明してくださるので、たいていは、ウチで練習できるとこまで持って行ける。
けれども、ココの左手の動きだけは、どうしても沁み込まない。
しょうがないので、今日は動画を撮影させてもらった。
先生、またイチから、わかりやすく解説してくださる。
この動画を、ウチに帰ってから、パソコン全画面で見たら、めっちゃ感動したわ。
レッスンで理解できないのは、もっと積極的に撮影させていただこう。
あと、私は音抜けが多すぎて。
これは「指を鍵盤になじませる」「鍵盤を沈ませる」感覚をマスターすること。
先生が演奏されると、右手と左手が、まるでべつの楽器のように聴こえる。
左手を、単に音量だけ小さくしているんじゃない、ということがよくわかる。
▼そして、たとえば29小節。
ひとつの例として、「音の大切さ」みたいなのを書いてみた。
先生は「言語との関連」についても、興味深いお話をしてくださった。
私が思うに、いやほんま、勝手な解釈だけど、上の「ミシシー」であれば、「1番目のシ」は「外国語の子音」に当たるんじゃないか?
「2番目のシー」は、母音付きでじゅうぶん伸ばしていい。
でも、「1番目のシ」に母音を付けると、ちょうど、日本語なまりのダサい外国語になるかのようで。
ええと、こういうのを、それこそぜんぶの音について、考えてみないとねえ。
この29小節は、今日、とくにくわしく解説していただいたが、さすがに「うんうん、そうだよねえ」とわかるものの、ちゃんとそんな風に弾けていない。
でも、いま、いかにも当たり前みたいに「そうだよねえ」って思っているけど、「そう思えるようになった」のは、先生が毎回粘り強く説明してくださるからだ。
いま使っている楽譜 モーツァルト: ピアノ・ソナタ集 第1巻/ヘンレ社/原典版
ツェルニー40番の18番│合格(5回レッスン後)
いつも「手の動きが大きすぎる」とご指摘を受けていた。
なので、今回は、ほんとピアノの鍵盤前面を鏡代わりに(そうするように教わっている)、なんか前ばっかり凝視して練習したよ。
その甲斐あって、今日は1回弾いただけで、「いろんなことが整っていましたね」と合格にしていただけた。
ふう。
でも、テンポはぜんぜん上げられなかったなあ。
いま使っている楽譜 ツェルニー40番練習曲 全音ピアノライブラリー
今日のレッスンを振り返って
「音は、ことばです」と、いつも先生がおっしゃる。
それが、今日はほんと「腑に落ちた」感が強い。
そして、「クラシック音楽を学ぶ」ということは、「ヨーロッパの音楽を学ぶ」ことである。
だったら、少しでも、ヨーロッパの言語や文化に関心を持ったほうがいい。
まあ、私は、バッハの伝記しか読んだことがないのだが。
たぶん、バッハ以外まで、手を広げるのはとうていムリ。
ひのまどかさんの「音楽家の伝記 はじめに読む1冊 バッハ」を、また読み直してみよう。
てか、オクターブが届く届かないって、べつに大したことじゃないんだね。
それより、「すみれ」をわかるほうが、大切かもしれない。